8月31日、「居場所カフェ コモリナ」主催のオープンダイアローグ体験会に参加しました。普段はスタッフとして関わることもあるのですが、今回は個人として申し込みをしました。ところが代表のYさんから「スタッフとしてお手伝いできますか?」と声をかけていただき、結局スタッフとして参加することになりました。
オープンダイアローグに興味のある方や、体験会の雰囲気を知りたい方に向けて、当日の様子と私の気づきをレポートします。
会場の雰囲気と参加者の多さ
当日は11時30分集合。少し早めに到着すると、思っていた以上に大きな会場が広がっていました。なんと参加者は約100名。オープンダイアローグへの注目度の高さを実感しました。
スタッフ仲間と挨拶を交わし、会場設営を手伝ったあと、私は会場誘導を担当しました。
オープンダイアローグとは?
講師の森川すいめい氏によると、オープンダイアローグはフィンランドの西ラップランド地方で1980年代から実践されている、統合失調症のケア手法です。
特徴は以下の通りです。
- 本人・家族・ケアスタッフが一緒に会話する
- 重要な決定は本人の目の前で行う
- 全員に発言の機会を保障する
- 発言には必ず反応する
- 開かれた質問を投げかける
こうした実践により、世界的にも高い成果を上げているとのことでした。
体験の流れ
説明のあと、すいめい氏は「身体も会話するのです」と言い、靴を脱いで地べたに座ることを提案。多くの参加者が従い、場の空気が一気に変わりました。
その後、マイクが一人ひとりに回され、全員が感想をシェアしました。
「懐かしい感じ」「キャンプファイヤーのよう」「リラックスできた」「少し落ち着かない」――100人近くの声が重なり、会場に温かい雰囲気が生まれました。
次に、2人一組になって「相手の話を5分間聴く」ワークを行いました。私はスタッフ仲間とペアに。5分間という時間は意外に長く、「ただ聴く」ことの難しさを実感しました。
休憩の後は6人グループで、
- 名前と役割の自己紹介(ここで自分の「役割」をおろす)
- 体験会に来たきっかけ
-
体験会への期待
を順に話しました。
ある参加者が「ただ話すこと、そして話しきることがとても効果的だと感じた」と話し、私も深く共感しました。私たちは日常生活の中で、役割や常識に縛られ、自由に話すことをおろそかにしているのではないか? そんな気づきが得られました。
体験会を終えて
終了後のスタッフミーティングでは、「今後もぜひ続けていきたい」という声が多くあがりました。スタッフにとっても大きな学びの場になったようです。
私自身も、「ただ話す」「ただ聴く」というシンプルな行為の奥深さを改めて実感しました。オープンダイアローグは、誰にでも必要な“対話のあり方”を思い出させてくれる実践だと感じました。
まとめ
- オープンダイアローグは「対話」を通して人と人がつながる手法。
- ただ話す・聴くという基本的な行為に、大きな力があることを実感した。
- 今後も継続的に取り組みが広がることを期待したい。
興味のある方は、ぜひ次回の体験会に参加してみてください。普段のコミュニケーションが、きっと少し違って見えるはずです。